「たらい回し」と「受け入れ拒否」と

これから子供を作る人は読んでほしい。また今の医療がおかしいと思っている方も。

世間をにぎわしている妊婦の「たらい回し」報道。一番近いところでは、奈良県の妊娠5ヶ月のかかりつけのない女性に腹痛が起こり死産してしまったという事が全国的に有名でしょう。しかし、大手通信社の報道のみを信じていいのかということです。

まず、奈良県立医科大学が3度の要請に受け入れられなかったことについては、「奈良「産科たらい回し」報道 マスコミの異常「医療バッシング」」に詳しいです。医師も暇をしているわけではなく、働いています。その中で受け入れられる能力というものが限られています。逆に無理して受け入れて「死産」となっても、マスコミは叩くのでしょう?

このあたりの「受け入れ拒否」ということについては、「患者受け入れ不可能 出典:(健康、病気なし、医者いらず)」のエントリの表現がわかりやすい。ぜひ読んでみて欲しい。
あと、「かかりつけがない」というのも問題で、1.かかりつけがあればその情報から紹介できるシステムがあるのに使えない。2.救急隊も情報がないから病院をうまく探せない、という結果になっています。これも先の「奈良「産科たらい回し」報道 マスコミの異常「医療バッシング」」を読んで欲しいですね。わざとお金を払わないためにこのような形にする人もいるし、経済的な困窮のために受診できない人もいる・・。前者がせっかくあるシステムを駄目にしているのです。

たらい回し報道と産む責任」という上手なイラストブログのエントリが今の現実を表現していると思います。いまは産婦人科が少ないから、分娩の予約もいっぱいでなかなか入れないんですよ。それを棚に上げて「受け入れ拒否」はないですよね。

ここまで読んでからぜひ「産経の論説」(Web魚拓)を読んでください。脱力ものです。別にみんな義務を忘れているわけではないのですよ。マスコミももう少し考えて何を変えるべきなのかを表現して欲しい。そしてこんなマスコミでいいですか。
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筋トレ!

筋トレをすると1時間ぐらいは頭がすっきりする。
それに体のだるい感じが消える。
これは科学的にも正しいらしい。

ねずみを何もないかごの中で飼ったグループとくるくる回転して運動ができるおもちゃを入れたかごで飼ったグループで、神経幹細胞の数を比較した研究があり ます。その結果は運動をしたグループの方が神経幹細胞の数が多いというものでした。人間は植物ではなく動物ですので、動くことで脳が生き生きとします。体力を保つために運動されている方が多いと思いますが、運動は体よりも脳を鍛えるものだったのです。
頭の知恵袋 Doctors Blog

腕立てを数回でもいいから週に3-5回程度できたら一番いいと思っているけれどなかなか難しいね。結局、自分を一時的でもいじめているからね。
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はしか(麻疹)

はしかがはやっていますね。
ワクチンもどんどん減っているし、検査方法のひとつは試薬がなくなりできなくなっているのこと。

子供に接種する「麻疹風疹ワクチン:いわゆるMRワクチン」は在庫があるとのことです。実際に大人がはしかにかかると症状がかなり激しいので、今の大学生あたりの世代はびくびくですね。偶然受けた4月の検査で自分は免疫がちゃんと残っておりました。

ワクチンの義務化は1976年です。そして、任意接種になったのが1994年10月になりました。任意になった原因が1993年4月から始まった3種混合ワクチンで副作用がたくさん出たことが原因。アメリカや韓国ではほぼ麻疹は抑えきっているようですので、「日本に渡航禁止」なんて事にならないかしら。

身を守るにはやはり20代前後の人が抗体価をチェックして、ワクチンを打っていくことが第一でしょうね。
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誤診と人と医療費

誤診の問題は常に医療につきまとう問題です。どんなに丁寧に症状を拾っても、そのときに症状が出ていないためにその時点で診断ができなかった場合と、ほんとうに必要なことをしていなくて診断できなかった場合があります。
残念ながら区別は後からだと難しい場合も多々あります。整形外科などでは「レントゲン写真」など、形に残るものがあれば、そのときに誤診だったかなどは、判別できるとは思います。
 指が腫れたので薬をもらったが、次の日は手が全体腫れた、だからミスだ!という方もまれにおられるのです。病気にも勢いがあって抑え切れていないと言うことですが、100%の治療もありませんので説明をするのにもなかなか大変です。最初から全員に点滴をすればリスクは減りますが、それこそ医療費が高騰する元になってしまいます。
 分野として小児科・産科はこういったことがおおく、時間がより沢山必要なのにスタッフが少なく消耗していきます。そしてこういった現実をみてますます新入りが減っていくという悪循環に陥っています。説明を十分にしようと思えば、人も十分必要なわけですが、これも手間がかかる場合でも診療報酬が一定ならば他にくらべて大幅に増員することも不可能です。もちろん、単純に増額するだけだと人を雇わないでもうける医院もでてくるし、人を増やせば収入が多くなるような設定にすれば、大病院がいい給料で根こそぎ人をさらっていき、小病院がなくなるといった事態になるし、一筋縄ではいきません。後者のことは現実に昨年起こっていることですのですよ。

看護師不足、全国の病院で争奪戦読売オンライン

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医療費が高騰しているか

 医療費が高騰しているというコメントがありましたが、診療報酬は全国共通で決まっているし、額も年3%ずつぐらい切り下げられていて、つまりは単価が下がっているということです。企業努力で下げれるような性質のものではあまりないということですね。あることをしてもらえる収入が決まっているということが結果どうなるかというと、通常は材料費を削るとか人件費を削るという感じになるかとは思います。ただ、元手や手間のかからない処置検査をおこなうかとなる場合があり、これは眼科のコンタクトレンズ診察などが代表的ではないかと思います。また診療報酬が適正に設定されていないと、赤字になるので必要であってもその治療をしなくなってしまいます。薬の値段も治療に使う物品も保険収載されているものは、利益が殆どでないようになっています。
 介護の方では、介護に対する報酬が一定なので、給料を上げることができず若いスタッフが定着しなくて困った状態になっているようです。最近、雇用がよくなっているので余計にそういった状態が現れています。
 報酬を上げるというのも財政状態からできないというものの単純に削る一方では、いまでも赤字に簡単になってしまうのですから医療レベルを維持できなくなるおそれがあります。

 

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日本の医療制度は崩壊する?!

最近は働いている医師や看護師などについても報道機関でクローズアップされるようになってきました。これは専門職全般にいえることでしょうが、最近の行きすぎた個人の権利の主張が社会を萎縮させている面が否定できません。
教育現場の問題で言えば、「給食費は義務教育だから払わない」「ひとつの問題をとりあげて、教師をやめさせる」などの問題が最近は言われています。NHKの「クローズアップ現代」で「要求する親 問われる教師~すれ違う教育現場~」で取り上げられています。親が教師を恫喝し、教師は萎縮していい授業ができなくなりつつあります。

医療制度の方も同様の雰囲気があります。医療ミスをしたと思われれば、裁判という形で訴える・警察が医師を逮捕するなどということを繰り返していれば、自然事なかれ主義に陥り危険な処置は一部の病院にたらい回しになるでしょう。すでに奈良県の転送問題もありました。もちろん医療に100%はなく同じ処置で全て同じ結果になるわけではありません。人は必ず死にますし、1日で治る薬もないことも認識しなくてはなりません。しかし、緊急事態で一歩前に出れるかどうかという大事なときに萎縮して一歩引いてしまう、そんな皆が損をする環境を自ら作っている状況を感じます。

さて、医療制度の問題で、もう一つは医療費の問題がしばしば言われています。今後、厚生労働省は保険がきかない医療を増やしていく可能性は大いにあります。もとより、医療費がどんどん高騰しているという論理で進めているわけですが、是非三重県医師会のページにある「日本の医療制度は崩壊する?!」も見ていただきたいと思います。FLASHがみれない方は、HTML版「日本の医療制度は崩壊する?!」をご覧ください。


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なんにもわかってない?

さてさて今も昔もおそらく差がないと思っているのが、病気というものの本当の仕組みというのは誰もわかっていないと思うのですよ。たとえば、風邪というのも難しいもの。ウイルスがいると起こるとかいわれていますが、それがどこにどう働いて、症状が起こって治っていくということが、厳密な意味ではわかっていない。

基本的には天気予報と同じで、細かい仕組みもわかって大きな流れもわかっているので、昔に比べたら死んでしまうまで激しいことは起こりにくくはなっていますが、完全に止めることはできない。台風がやってくることがわかって、どういう結果になることがわかっているので、ある程度の防御ができますが、やっぱり被害が出てしまう。風邪をはじめとした病気はそんな状態です。また、細菌やウイルスといったような原因がわかりやすいものはいいですが、ガンとかはどうして起こっているの?ということが、本当に細かいところまではわかりません。

結局、症状をみて治療法を編み出していくのですが、どれくらいその間を理屈で埋めていけるかというのがポイントになってくる。また天気予報ですが、「夕焼けだと明日は晴れということ」と「気圧が下がってくると明日は雨」ということ。本当は両方を使うことでより精度の高いことがいえると思います。でも、最近の医療は検査でのみ、つまり「気圧」だけみていく事が多いのでいろいろ問題が起きてくるのでしょう。たくさんの知恵と知識をつなげて、よりたくさんの病気を治せれば名医ということになるのでしょう。

ああ、でもなんにもわかっていないなあ、と思うことがまだまだいっぱいです。隙間をできるだけ埋めていけるようにがんばりましょう>自分。

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電子カルテ

仕事の関係で電子カルテというものをつかっています。いままで、手書きで紙に記録していた医療の情報をパソコンで記録するというものです。すなわち、手ですらすらっと書いてすんでいたことが、パソコンのキーをたたかなければならなくなったので、大分効率が落ちるものです。メリットは誰が書いても読める(字が汚い人が多い)ということですが、デメリットは「遅い」「システムダウンすると全く手がつけられない」「絵が描けない(マウスではとても・・)」です。また、自分はタッチタイプができるからまだましですが、こういったことに不慣れな人だと本当にどうしようもなく遅くなります。また、患者を触る余裕すらなくなる医師もいるようです。

本来はこういったシステムは人が関わる部分を減らして、人件費を減らすのが目的の部分もあるのですが、現状はいままで事務員がやっていた細かいチェックまで、医師や看護師が入力しなければならなくなっているのです。コンピューターは見落としが紙より起こりやすいので、最終的にチェックする事務員もさほど減っていないような。

今は記録する部分しか本当に開発されていなくって、本来はもう少しスタッフをサポートする能力があればと思います。あるデーターが出ていれば、こういう検査をしたほうがいいとか、これが考えられるなど提案する機能ですね。こういった部分がないとどんどん、医療スタッフのやることばかり増えて負荷が高まるばかりだと思います。

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医療の問題のなかで

医療の問題が取り上げられることが多い。自分は提供する側の立場だから、最近のNHKの論調ならまだ理解できる。医者が足りない、とはいうものの勤務医が足りないということ。病院はすごくこんでしまう。そうなったときには、目いっぱいがんばる人と自分ができる範囲のことを最低限してほかの人に振ってしまうということもできる。目いっぱいやってしまうと、こんどはすごい待ち時間ができてしまうし、いずれ本人が焼き切れてしまう。かといって、最低限だけだとレベルアップもないわけです。

なんでもバランスが大事です。できるだけその二つの間で、上を目指すしかない。

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漢方の鼻水対策

風邪の続編。

まず風邪の引きはじめに、葛根湯をのむ。つぎに柴胡桂枝湯という、微熱・さむけに効く薬を服用する。それなりに改善したけれど、いまは鼻水がとまらなくなっている。そこで昨日から小青竜湯をのむ。これがなかなかよく効く。鼻水が鼻づまりにな、ティッシュの世話になることが大分減った。

ふつうの薬は眠くなることが多いが、これは眠くならないし花粉症にも使えるかもしれません。

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